はじめに

あしながとヴァッサー

 あしながとヴァッサー大学。この二つの組織は、世界の異なる地にありながら共通の理念によっ結ばれており、人々の生活向上の鍵を握る教育に貢献しています。演出家ジョン・ケアードとのコラボレーションによる音楽パフォーマンス『世界がわが家』は、親を亡くした若者たちが援助を必要としていることへの理解を更に深め、アフリカの将来性ある学生たちを海外の大学へ進学させるべく募金活動に努めるあしながをサポートすることを目的としています。

 あしながはすでにヴァッサー大学インターン生の最大の受け入れ先となっており、またヴァッサー大学もその教育支援と奨学金制度によって、アフリカの貧困に取り組むあしながを大いに支えてきました。

 それに劣らず重要なことがあります。『世界がわが家』を想像して演じることは、ウガンダ、日本、アメリカの才能豊かな若者たちが、活気に満ちた互いに異なる文化を超えて、自分たちの経験や芸術性、未来への展望を明確に表現し、そして分かち合う機会となるのです。

ジーン・ウェブスターと『あしながおじさん』

ヴァッサー大学を1901年に卒業したジーン・ウェブスターの小説『あしながおじさん』は、十代の女の子が、匿名の後援者によって大学教育を受けることになる物語です。1912年に出版されて以来、瞬く間に世界中で成功をおさめましたが、特に日本においては100年以上にわたって深く愛されてきた古典となっています。1000億円以上を集め、片親又は両親を亡くした9万5000人の子どのたちを援助してきた財団が、その名前「あしなが」をウェブスターの不朽の名作からとっているのは自然な選択と言えるでしょう。

演出/脚本 ジョン・ケアード氏より

希望を取り戻そう

「世界がわが家」は、世界中の遺児の窮状をより深く理解していただきたいという熱意を込めた、感動的なアピールです。 ヴァッサー大学の素晴らしい合唱団が西洋の最も美しい合唱曲の数々を歌い、8歳から18歳までのウガンダの遺児たちが魅力的かつ伝統的な歌と踊りを披露し、さらに東北地方で大きな震災被害を受けた地域の若い和太鼓奏者のチームが、あの津波による惨状を胸を打つ演奏で伝えます。

アメリカ、ウガンダ、日本の若者たちの音楽の才能と夢を1つに結びつけることで、私たちは皆様に、あしなが育英会の運動が世界の最も貧しい人々の生活をどのように変えていこうとしているか、苦しい人生を送る人々にいかに希望を取り戻させようとしているかをご覧に入れます。

世界が若者たちにとって希望のない場所になってしまいかねない今日この頃、「人を救いたい」と願う深い思いやりこそが、世界で最も我が家を必要としている人々に「世界がわが家」を作っていくのだということを、このコンサートでお見せしたいと思います。

共催 あしなが育英会、ヴァッサー大学

あしなが育英会は、親や保護者を亡くした子どもたちを支えることにより、「暖かい心」「広い視野」「行動力」「国際性」を兼ね備え、人類社会に貢献できる人材を育成している国際的NGOです。物的支援として奨学金を、精神的支援として教育と心のケアの「つどい」や「レインボーハウス」での活動を行っています。近年では遺児自身の恩返し運動から始まった海外遺児への支援にも力を入れ、「世界がわが家」出演のエイズ遺児が通うあしながウガンダでの「読み・書き・計算」の寺子屋事業、そして「あしながアフリカ遺児高等教育100年構想」事業などを推し進めています。(www.ashinaga.org

 

ヴァッサー大学は、ニューヨーク州ポキプシー(ニューヨーク市より北に120km)にある男女共学の寄宿制大学で、最難関校のリベラル・アーツ・カレッジとして知られています。ヴァッサー大学の使命は、批判的な物の見方ができ、強い好奇心や優しい心を持つ、そして、地球市民としての責任を意識できる学生を育成することです。(www.vassar.edu